こんにちは、やまたつです。
トランプ大統領の1月6日事件関連の裁判で、「大統領免責特権」を認めない判決が出ました。
「大統領免責特権」とは、大統領任期中の行為の法的責任を問われないとするもの。
1982年連邦最高裁判決で、“民事裁判”からは免責されることが認められています。このときの判決文には「刑事責任は含まない」と書かれてはいましたが、実際に裁判で争われたことがないため、判例がありません。
1月6日事件はトランプ大統領が大統領任期中にあったことであり、(そもそも責任追及をする意味が分かりませんが)弾劾裁判による責任追及をする仕組みがあることからも、大統領任期中の問題で起訴することができるかどうかが焦点になっています。
予想されていた通りの結果ではあるのですが、話をややこしくする命令も出されています。
それがこちら↓
2月12日までに連邦最高裁に上告しなければ、1月6日関連の裁判の手続きを再開するというのです。
通常の手続きとかけ離れた、明らかに政治的意図のある命令です。
●通常の手続き●
①連邦地方裁判所の判決で判決→不服の場合、控訴裁判所に控訴
②控訴裁判所は3人の判事で構成される“panel”で審議(今日の判決はココ)
③控訴裁判所の判決に不服の場合、45日以内に“en banc”(全員法廷/大法廷)で再審を申立てられる
④“en banc”の判決に不服の場合、90日以内に連邦最高裁に上告できる
今回の命令は、③をすっ飛ばし、④までの上告可能期間も認めないという異例のもの。
③の“en banc”を求める場合、連邦地方裁判所は1月6日裁判の手続きを再開することを認めています。
つまり、トランプ弁護団の狙っている大統領選挙後の裁判にするための”ルールに則った正当な”時間稼ぎを防ごうとしているのです。
憲法学者のジョナサン・ターリーは、トランプ弁護団は③“en banc”の申立てと同時に、連邦最高裁に緊急提訴し、仮差止め命令を求めるのではないかと指摘しています。
ワシントンDC地区を管轄するのはロバーツ最高裁所長官。
真っ当な判断をしてくれることを願っています…
ちなみに、予想通りの判決ではありますが、個人的に判決文で最もヤバいと思った一文がこちら。
「トランプは(大統領を退任したことで)一般市民になった。いかなる免責特権にも保護されない」
つまり今後は、“大統領任期中に起きたこと”でも、大統領退任を待つことで刑事起訴することが可能になるのです。
これなら弾劾の仕組みは不要ではないでしょうか。
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